日本各地に点在するお茶の名産地。中でも京都や奈良など近畿地方の茶産地では、山の起伏と寒暖差を生かした絶景の茶畑に出会うことができます。古くは奈良時代から受け継がれてきた茶畑ですが、近年は高齢化や手入れの大変さから放棄されたり、効率化によって、すこしずつ景色が変化してきているそうです。この美しい景観が変化していくことに危機感をおぼえた栗原義孝さんは、近畿各地の茶畑に通い続け、その成果がこのたび一冊の写真集にまとまりました。こうした写真集は他に類がなく、資料としても今後、貴重なものとなることでしょう。
ブログで、本の一部をご紹介します。
山の向こうまで続く茶園。
運搬用のモノレールは、ちょっとした移動時にも重宝されている。
(京都府和束町)
茶の木にネットをかぶせて育てる「かぶせ茶」。
手間がかかる分、うまみの強い茶葉ができるという。
(京都府和束町)
埋もれるように建つ古寺。幾百年、この地の変化を見つめてきたのだろうか。(奈良県奈良市月ヶ瀬)
傾斜地など、手入れの難しい場所は機械化されにくく、昔ながらの方法で茶が栽培されている。ふだん何気なく飲んでいるお煎茶の背景に、こんな美しい茶畑があることを、ぜひ知っていただきたいと思います。
12月8日(金)発売!写真集「野にも山にも」(栗原義孝/著)・天地230ミリ×左右240ミリ・ソフトカバー 96ページ・定価2,980円(税込)
発行・発売 風景写真出版(TEL 03-3815-3605)ご予約はこちらから。
主な撮影地:京都府南山城村、京都府和束町、奈良県奈良市月ヶ瀬、奈良県山添村 三重県津市 ほか